2023.03.17 15:33第1章 その1僕は荒田家の次男として産まれ、「亮平」という名前を付けられました。生後9ヶ月の時に、父の仕事でアメリカに移り住み、アメリカ生活用の名前として、「ロジャー」と言う名を与えられました。5歳で帰国、石川県で4年過ごしたあと、小学4年生から兵庫県に引っ越しました。しかし小学5年の終盤頃から、徐々に不登校になり始めました。不登校に関しては次の章で詳...
2023.03.16 16:00第1章 その2とにかく僕にとっての父は「嫌い」なんて枠を越えた、「究極の憎悪対象の塊」でした。こんなに人を恨む事など、後にも先にもありません。父の言動ひとつひとつの全てが憎く、父が座れば「座りやがってこの野郎」と思い、父がお茶を飲めば「飲んでんじゃねぇぞコラ」としか考えられないくらい、父の一挙手一投足まで、すべてが憎くて仕方ありません。「大人になって力...
2023.03.16 15:55第1章 その3その後も僕は、父が帰国する度にブチギレ全開で襲い掛かりました。父の帰宅と同時にスイッチが入り、殴りかかったり物を投げつけたり、全力の飛び蹴りをかましたり。これは「父に分かって欲しい」とか、「性格を直して欲しい」などの思いは一切なく、とにかく恨みを晴らす復讐でしかありませんでした。目的は勝負ではなく復讐だったので、卑怯だろうがなんだろうが関...
2023.03.16 15:50第1章の「今にして思う事」幼少の頃、約10年間に渡って暴力を振るわれて来た僕ですが、行なわれた虐待はあくまでも単純な暴力だけで、食事を与えられないとか、狭い空間に長時間閉じ込められると言った事はありませんでした。また大きな怪我をした事はないので、父なりに力加減はしていたのだと思います。階段から落とされた時は、怪我をしなかったのはたまたまではありますが。僕は中学一年...
2023.03.16 15:45第2章 その1小学4年から通っていた兵庫県の小学校では、仲間にも恵まれ、担任の先生もとても良い方で、居心地に不満はありませんでした。僕が学生時代で唯一「イジメ」と無縁だった学校は3年間のこの兵庫の小学校だけです。活発でお調子者、スポーツ万能、勉強も芸術も好成績、クラスの人気者タイプ。多分、この時の僕が、本来の僕なのかもしれません。小学5年の終盤頃、父の...
2023.03.15 19:05第2章 その2不登校であっても引きこもらず活発に外出ができれば良かったのですが、そんな事をしたら怒られるのではないだろうか。平日の昼間に外を歩いていたら周りの人はどんな目で僕を見るのだろう。夕方以降や土日ならば、もし知り合いに会ったらどんな顔をすれば良いのか。そんな事を考えてしまい、外出するのが怖くて、引きこもりになってしまうのでした。お正月などの親戚...
2023.03.15 16:40第2章 その3そんな中、僕は3年生からの復学を決めました。理由は、1年生の時と同じです。将来に繋げるためには、学校に行かなければいけないと思ったからでした。当時は単位制や大検などの選択肢を知らず、復学以外に方法が思いつきませんでした。しかし、復学した僕を待っていたのは、なんと4つものグループからのイジメでした。「今まで学校に来なかった奴が、急に来始めた...
2023.03.15 16:25第2章 その4復学の際には、他にもショックな事がありました。2年生の終盤に、来年度からの復学を担任の先生に相談したところ、先生は「少しでも登校しやすいように」との配慮から、仲の良い友達と同じクラスになれるように取り計ろうとしてくれました。僕には小学校の時に仲の良かったM君がいました。僕は真っ先に彼の名前をあげました。ところがM君はよりにもよって、1年生...
2023.03.15 16:20第2章の「今にして思う事」不登校の数年間、母は僕に本当に徹底的に付き合ってくれました。僕が最初に学校を休み始めた時の母の年齢は、今の僕と同じくらいです。僕がまっとうなら、母はもっと色んな時間の使い方をして楽しめただろうに。母の人生の中の一部の時間を、僕は潰してしまったと思います。それを考え始めると、今でもいたたまれない気持ちになります。その反動でしょうか、今は母に...
2023.03.15 16:15第3章 その1僕は4年制の夜間定時制高校へ進学しました。楽しい思い出も多い高校生活ですが、イジメの陰湿さは中学時代をさらに上回ります。1年生の時はイジメもなく、問題なく過ごせました。友人もでき、成績も良く、文化祭や体育祭などの行事では中心的存在にもなりました。2学期の途中からサッカー部に入部したのですが、しかし問題が起こったのはそのサッカー部ででした。...
2023.03.15 16:10第3章 その2サッカー部員ではない、イジメ連中の仲間も部に出入りする事もありました。レクリエーション気分で混ざって来るのは百歩譲って良いとしても、僕がボールを奪えば「なんじゃワレコラ!」と大声でオラ付くので、まともに練習なんてできません。ヘラヘラ笑いながら自分に都合の良い判定を主張し、僕が「いや今のは違うだろ」と言えば、突然豹変し「なんやコラ、やんのか...
2023.03.15 16:08第3章 その3サッカー部の地区大会が近付いて来ました。出場するためには人数が足りないため、僕は学校中を駆け回り人数を集めました。部員数も少ない定時制では、大会に他クラブなどから運動神経の良い生徒を助っ人に入れてエントリーするのも珍しい事ではありません。僕の熱意に3人の先輩が参加を決め、ギリギリ参加可能な人数、8人になりました。イジメ連中は1人も集められ...